ホテル集客において広告は欠かせない手段です。
しかし、「とりあえず出稿する」だけでは十分な成果は得られません。
宿泊需要が多様化する中で、広告媒体の選び方や使い方が集客効率を左右します。
特に広報・経営層にとっては、短期的な集客だけでなく中長期のブランド価値も見据えた広告設計が重要です。
この記事では、主要な広告媒体の特徴から業態別・目的別の活用方法、広告費判断の考え方までを解説します。
ホテル集客における主要な広告媒体

ホテル広告にはさまざまな選択肢があります。
しかし、それぞれ役割や向いている目的が異なります。
媒体の特徴を理解せずに使うと、費用対効果が合わない原因になりがちです。
主要な広告媒体は次の通りです。
- リスティング広告(検索連動型広告)
- ディスプレイ広告
- OTA内広告
- SNS広告
- 動画広告
ここでは、ホテル集客で活用される代表的な広告媒体について解説します。
リスティング広告(検索連動型広告)
リスティング広告とは、ユーザーが検索したキーワードに連動して表示される広告のことです。
たとえば「東京駅 ホテル」「温泉付き ホテル」などと検索したとき、検索結果の上部や下部に「広告」と表示されて出てくるものがリスティング広告にあたります。
リスティング広告は、すでに宿泊を検討している人に直接アピールできる広告です。
予約意欲が高い層に届きやすいため、即効性のある集客が期待できます。
特に自社公式サイトへの直接送客を狙う場合に効果的です。
ただし、競合が多いエリアではクリック単価が高騰しやすく、出稿キーワードの設計が成果を左右します。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリ上に画像やバナーとして表示される広告です。
今すぐ予約する層だけでなく、将来的な宿泊候補者に認知を広げる役割があります。
たとえば、観光情報サイトを閲覧しているユーザーにホテルの世界観を伝えるといった使い方が可能です。
直接予約につながりにくい反面、ブランド認知や想起率向上につながります。
OTA内広告
OTAとは、Online Travel Agencyの略で、インターネット上で宿泊予約を仲介する予約サイトのことを指します。
OTA内広告は、予約サイト上で上位表示や特集枠として露出を高める施策です。
すでに宿泊を検討しているユーザーが集まるため、比較検討の段階で選ばれやすくなります。
一方で、広告費と手数料が重なり、コスト構造が見えにくくなる点には注意が必要です。
短期的な稼働率向上には効果的です。
しかし、依存しすぎると利益率を圧迫します。
SNS広告
SNS広告は、年齢・興味関心・居住地などで細かくターゲティングできる点が強みです。
写真や動画を活用することで、ホテルの雰囲気や体験価値を直感的に伝えられます。
たとえば「サウナ付きホテルでととのう休日」といったアピールはSNSと相性が良いです。
予約にそのままつなげるよりも、認知・興味喚起の役割として設計すると効果を発揮します。
動画広告
動画広告は、施設の魅力や滞在体験をストーリーとして伝えられる手法です。
文字や静止画では伝わりにくい空間の広がりや雰囲気を表現できます。
YouTubeやSNSと組み合わせることで、ブランドイメージの構築につながります。
ただし制作コストがかかるため、使い回しや二次活用を前提に計画することが重要です。
【ホテル業態別】おすすめの広告手法一覧表

ホテルの業態によって、向いている広告手法は異なります。
都市型ビジネスホテルとリゾートホテルでは、集客の考え方自体が違うためです。
以下は、ホテルの業態別におすすめの広告手法の一覧表です。
| ホテル業態 | おすすめの広告手法 | 活用の考え方・ポイント |
|---|---|---|
| ビジネスホテル | 検索広告(リスティング広告)・OTA広告 | 出張や急な宿泊ニーズなど、今すぐ予約したい層が多いため、検索行動や比較検討の場で露出できる広告が効果的です。 |
| シティホテル | 検索広告・OTA広告・SNS広告 | ビジネス・観光・記念日利用など用途が幅広いため、即効性のある広告と認知・イメージアピールの広告を組み合わせると集客の幅が広がります。 |
| リゾートホテル・観光ホテル | ディスプレイ広告・SNS広告・動画広告 | 体験価値や非日常感が重視されるため、写真や動画を活用して滞在イメージを伝える広告が向いています。 |
| 高級ホテル・ラグジュアリーホテル | SNS広告・動画広告 | 価格訴求よりも世界観やブランド価値の訴求が重要なため、ビジュアル中心の広告で憧れを喚起する施策が効果的です。高級ホテルの広告では、価格や立地よりも「どのような体験ができるのか」を視覚的に伝えることが重要です。具体例の一つとして、近年注目されている設備がサウナです。サウナは、写真や動画によって非日常感や上質さを直感的に表現しやすい設備といえます。 カナディアンサウナでは客室内に設置可能な室内サウナを提供しています。 |
| 温泉旅館・和風宿泊施設 | OTA広告・ディスプレイ広告 | 比較検討されやすいOTAでの露出強化と、温泉や和の雰囲気を伝えるビジュアル広告の併用が集客につながります。 |
【目的別】ホテルにおすすめの広告手法一覧表

広告は「何を達成したいのか」によって選ぶべき媒体が変わります。
稼働率改善、認知拡大、公式サイト予約比率向上など、目的を明確にすることが重要です。
以下は、目的別におすすめの広告手法の一覧表です。
| 目的 | おすすめの広告手法 | 活用の考え方・ポイント |
|---|---|---|
| 稼働率を向上させたい場合 | 検索広告(リスティング広告)・OTA広告 | 宿泊意欲が高い顕在層に直接アプローチできるため、空室を埋めたいタイミングで即効性が期待できます。 |
| 公式サイト直販の比率を向上させたい場合 | 検索広告・リターゲティング広告 | ホテル名やエリア名で検索する層や、過去にサイトを訪れたユーザーを公式サイトへ再誘導することで直販強化につながります。 |
| 客単価を向上させたい場合 | SNS広告・検索広告 | 設備や体験価値、上位客室プランを訴求することで、価格ではなく価値で選ばれる導線を作りやすくなります。 |
| 特定期間・イベント集客を目的とした場合 | SNS広告・ディスプレイ広告 | 期間限定プランや季節イベントを広く認知させることで、短期間での集客を後押しします。 |
| 新規顧客を獲得したい場合 | SNS広告・動画広告 | これまで接点のなかった層に対し、写真や動画でホテルの魅力や世界観を伝えることで認知拡大が期待できます。 |
ホテルの広告費について知っておきたいこと

広告費は感覚や前年踏襲で決めるものではありません。
経営判断として整理しなければ、成果が見えにくくなります。
ホテルの広告費について知っておきたいことは次の通りです。
- 広告費は「コスト」ではなく「投資」として捉える
- 広告費の目安を売上との関係で把握する
- OTA手数料と広告費を分けて考えない
- 広告費配分は「媒体ごと」ではなく「目的ごと」に整理する
- 短期成果と中長期成果を分けて考える
ここからは、広告費を考えるうえで押さえておきたい点を、詳しく解説します。
広告費は「コスト」ではなく「投資」として捉える
広告費を単なる支出として扱うと、成果が出ない時に真っ先に削減対象になります。
本来、広告は将来の売上を生むための投資です。
どの施策がどの成果につながったのかを検証し、改善を重ねることで価値が高まります。
短期の損得だけで判断しない視点が必要です。
広告費の目安を売上との関係で把握する
広告費は、売上に対する比率で考えると判断しやすくなります。
一般的には売上の数%を目安に設計されることが多いです。
しかし、立ち上げ期や閑散期は比率が高くなることもあります。
重要なのは金額そのものより、投下した広告費がどれだけ売上に貢献したかを把握することです。
OTA手数料と広告費を分けて考えない
OTA(オンライン予約仲介サイト)経由の予約は、手数料という形で実質的な広告費を支払っています。
OTA手数料を広告費として認識しないと、全体の集客コストが見えなくなります。
広告出稿とOTA手数料を一体で捉えることで、公式予約強化の判断もしやすいです。
つまり、経営視点での整理が欠かせません。
広告費配分は「媒体ごと」ではなく「目的ごと」に整理する
媒体単位で予算を決めると、目的が曖昧になりがちです。
「認知向上にいくら」「予約獲得にいくら」と目的別に整理することで、効果検証が容易になります。
そのうえで、最適な媒体を選ぶ方が無駄な出稿を防げます。
目的起点の考え方が重要です。
短期成果と中長期成果を分けて考える
広告には即効性のあるものと、時間をかけて効果が出るものがあります。
短期成果だけを見て判断すると、将来の集客基盤を弱めてしまう可能性があります。
短期と中長期、それぞれの役割を分けて評価することが大切です。
特に、経営層の理解が必要となってきます。
ホテル広告の失敗につながりやすいポイント

広告は正しく使えば強力な武器になります。
しかし、判断を誤ると成果が出ません。
ホテル広告で失敗につながりやすいポイントは次の通りです。
- 法令・表示基準を軽視した広告表現をしている
- 広告の「目的」を決めずに出稿している
- 個人情報・追跡制限の影響を理解せずに広告を判断している
- 広告の判断を誰がするのか決まっていない
- 媒体ありきで広告費を配分している
- OTA広告に依存しすぎている
- 繁忙期にも広告を出し続けている
- CPAだけで広告を止めてしまう
- 広告クリエイティブを軽視している
- 広告の役割を社内で共有できていない
- 「広告を出せば売れる」と思い込んでいる
- 緊急時に広告をどう止めるか決めていない
ここでは、ホテル広告で起こりやすい失敗例を解説します。
法令・表示基準を軽視した広告表現をしている
ホテル広告で注意すべき失敗の一つが、景品表示法上の優良誤認や有利誤認に該当し得る表現を用いてしまうことです。
実際よりも過度に設備や体験価値を良く見せる表現は、短期的には集客につながるように見えても、法令違反やクレームのリスクを高めます。
また、写真や説明が実態と一致していない状態で広告を出稿している場合、利用者との認識のズレが生じ、信頼低下を招きやすくなります。
具体的に以下のようなことを広告に出してしまうと、法令違反になってしまう可能性が高いです。
- 景品表示法上の優良誤認や有利誤認に該当し得る表現を使っている
- 写真や説明が実態と一致していない状態で出稿している
- 料金条件や追加費用の前提が十分に伝わっていない
- 設備や眺望など体験要素の条件差を考慮せず表現している
集客以前に経営リスクへつながり、後から修正できない損失を生みやすい点が特徴です。
広告では「どの条件で、どの体験が提供されるのか」を正確に伝える姿勢が不可欠です。
広告の「目的」を決めずに出稿している
「とりあえず出す」広告は、成果が曖昧になりがちです。
予約獲得なのか、認知なのかを決めずに始めると評価軸が定まりません。
目的を明確にすることで、改善の方向性も見えます。
個人情報・追跡制限の影響を理解せずに広告を判断している
広告の出来不出来ではなく、個人情報の扱いと追跡制限という前提を知らないまま、数字だけを見て判断してしまう状態を指しています。
ホテル広告では、次のような前提が常に影響します。
- クッキーへの同意状況によって、広告が届く人数自体が変わる
- 予約時にひも付けられる情報には限界があり、広告経由でも数字に現れない予約が出る
- 管理画面に表示される成果と、実際の予約数が一致しない場面が生じる
- 海外向け配信では、国や地域ごとに個人情報の扱いルールが異なる
こうしたことを理解せずに広告を止めたり続けたりすると、広告の良し悪しではなく「見え方のズレ」で誤った判断をしやすくなります。
数字が合わない理由を先に共有しておくことで、不要な不安や早合点を避けられます。
広告の判断を誰がするのか決まっていない
ここで伝えたいのは、組織論ではありません。
広告を動かす場面で、毎回迷いが発生する状態そのものが失敗だという点です。
ホテル広告の現場では、次のようなことが頻発します。
- 広告文を少し直したいだけなのに、誰の確認が必要かわからない
- 現場は危ないと感じているが、止める権限がなく動けない
- 経営層に確認すべきか迷っているうちに、広告がそのまま流れ続ける
- 緊急時に誰が最終判断するのか決まっておらず、全員が様子見になる
こうした状態では、広告の良し悪し以前に「動けない広告」になります。
そのため、広告運用で失敗しやすい宿ほど、判断する人と判断してよい範囲が曖昧なままになっています。
媒体ありきで広告費を配分している
流行っている媒体だからという理由だけで出稿すると、目的に合わないケースがあります。
媒体は手段であり、目的ではありません。
自社の状況に合った選択が必要です。
冷静な判断が必要です。
OTA広告に依存しすぎている
OTA(オンライン予約サイト)広告は即効性があります。
しかし、依存度が高まると利益率が下がります。
自社予約とのバランスを取らなければ、経営の安定性を損なう恐れがあるのです。
短期成果と長期戦略を分けて考えることが重要です。
繁忙期にも広告を出し続けている
需要が高い時期に広告を出し続けると、無駄なコストになる場合があります。
繁忙期と閑散期で広告戦略を変えることが重要です。
状況に応じた柔軟な判断が必要です。
CPAだけで広告を止めてしまう
CPA(1件の成果を得るためにかかった広告費)は重要な指標です。
しかし、それだけで判断すると本質を見誤ります。
認知や指名検索増加など、間接効果も考慮する必要があります。
数値を多角的に見る視点が大切です。
広告クリエイティブを軽視している
同じ媒体でも、表現次第で成果は変わります。
写真やコピーが魅力的でなければ、広告効果は伸びません。
クリエイティブ改善は費用を抑えつつ成果を上げる手段です。
軽視すべきではありません。
広告の役割を社内で共有できていない
現場と経営層で広告の認識がズレていると、評価が分かれます。
広告の目的や役割を共有することが重要です。
共通認識があることで、改善も進みやすくなります。
「広告を出せば売れる」と思い込んでいる
広告は魔法の道具ではありません。
商品力やサービス品質が伴わなければ、成果は限定的です。
広告はあくまで入口であることを理解する必要があります。
根本的な価値づくりが前提です。
緊急時に広告をどう止めるか決めていない
ここで言いたいのは、難しい危機管理論ではありません。
何か起きたときに、広告をどう扱うかを決めていない状態そのものが失敗だということです。
ホテル広告で実際によく起きるのは、次のような場面です。
- 台風や地震で来られない状況なのに、通常の広告が流れ続けている
- 事故やクレームが広がっている最中に、楽しそうな広告が表示される
- 休館やサービス縮小をしたのに、広告内容が変わっていない
- 現場は止めたいが、誰の判断で止めるのか分からず放置される
こうした状況は、広告の効果以前に「宿として大丈夫か」という不信感を生みます。
そのため平常時の成果設計とは別に、非常時に止める基準と判断者を決めていない広告運用は、失敗パターンとして整理する必要があります。
広告だけでなく「設備や体験」をどう見せるかで差がつく!サウナを効果的に使ってホテルの集客に活かそう

ホテル集客における広告は、単に予約数を増やすための手段ではなく、施設が持つ価値や滞在体験を正しく伝えるための経営施策です。
媒体ごとの特性や広告の目的を十分に理解しないまま出稿すると、費用対効果が合わなくなるだけでなく、ブランドイメージや信頼を損なうリスクも高まります。
そのため広告は、「どの媒体を使うか」から考えるのではなく、「何を伝え、誰に届けたいのか」を起点に設計することが欠かせません。
また、広告だけで集客が完結するわけではありません。
サウナのように写真や動画で魅力が伝わりやすい設備や体験を、広告と一体でどのように見せるかによって成果は変わります。
広告を投資として捉え、短期的な成果と中長期的な価値向上の両面を意識しながら、ホテル全体の魅力を高める集客戦略を構築していくことが、これからのホテル経営には必要です。
近年は、ホテル選びの基準として「体験価値」を重視する傾向が強まっています。
中でもサウナは、他施設との差別化を図るうえで効果的です。
広告では単に「サウナあり」と伝えるだけでなく、どのような体験ができるのかを具体的に表現することが重要です。
たとえば「外気浴でととのう」「貸切で使える」といった体験をアピールすることで、広告への反応は変わってきます。
カナディアンサウナでは客室に設置できる室内サウナのご用意があります。
日本国内では導入事例として珍しく、注目につながりやすいカナディアンサウナを設置することで、他施設と差をつけられます。
ホテルに新しい体験価値を導入したいと考えている事業者におすすめです。

