厚生労働省のデータによれば、2022年のサウナ施設(その他の公衆浴場)は20,694件だったのに対し、2023年には20,826件と132件増加しています(参考:厚生労働省「令和5年度衛生行政報告例の概況」)。
しかし、サウナ事業には設備投資や法令対応など多くのコストがかかり、資金面でのハードルが高いのも事実です。
そこで注目されているのが、公的な補助金制度の活用です。
本記事では、サウナ事業における補助金の活用方法や、具体的な制度、成功に導く戦略までを網羅的に解説します。
サウナを「事業」として本気で成功させたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
サウナ事業に補助金が必要な理由

サウナ事業は「流行」に乗って始めるものではなく、継続的な収益性と地域との共存を意識した堅実なビジネスとして設計する必要があります。
そのためには初期投資の最適化、信頼性の高い事業計画の構築、地域行政との連携などが重要で、そのために必要なのが補助金です。
単なる資金援助ではなく、「公的に認定された事業」としての信頼構築にもつながります。
サウナ事業に補助金が必要な理由は以下の3つです。
- 開業・改装コストを大幅に圧縮できる
- 事業計画の信頼性が高まり追加投資を呼び込みやすい
- 地域貢献を可視化し行政や観光協会との連携が加速する
ここからは、サウナ事業に補助金が必要な理由を解説します。
開業・改装コストを大幅に圧縮できる
サウナ施設の設置には、サウナユニット本体、換気設備、水回り、動線設計、防火対策など、想像以上に多くの工事とコストが伴います。
小規模施設でも数百万円、大規模施設では数千万円が必要となるケースもあります。
こうした初期投資を補助金で一部でもカバーできれば、資金計画に余裕が生まれ、より質の高いサービスや内装、プロモーションに予算を振り分けることが可能です。
たとえば「事業再構築補助金」では、従業員101人以上で最大7,000万円(通常類型)もの支援が得られる可能性があるため(参考:事業再構築補助金「必須申請要件」)、新規参入を検討する中小企業にとって強い味方です。
事業計画の信頼性が高まり追加投資を呼び込みやすい
補助金の申請では、事業計画の精度や実現可能性が審査対象となります。
単なる提出書類ではなく、事業の成否を左右する重要なプロセスです。
しっかりとした事業計画を策定し、補助金を獲得できれば、「行政が認めた事業」として第三者からの信頼も得やすくなります。
たとえば金融機関からの融資や、民間投資家からの資金調達の際にも、補助金の採択実績は評価材料となります。
結果的に、追加投資を呼び込む好循環を生み出すことが可能です。
地域貢献を可視化し行政や観光協会との連携が加速する
サウナ事業は、単なる商業施設にとどまらず、観光資源としての役割も担っています。
たとえば「サウナ×地域資源」や「サウナ×観光地巡り」といった企画が、地域活性化を目的として展開されることも少なくありません。
補助金の多くは「地域貢献性」や「交流人口の創出」といった観点を重視しており、こうした観点に沿うサウナ事業は高く評価される傾向にあります。
さらに、補助金を活用することで行政との接点が生まれ、観光協会との連携やイベントの共催といった新たな展開へとつながる可能性もあります。
補助金は、行政とのパートナーシップを築く入り口にもなるのです。
サウナ事業の補助金と助成金の違いとは?
補助金と助成金は似ているようで制度の性質が異なり、誤解されやすい部分です。
補助金は原則として「審査に通ること」が支給の前提であり、申請しても採択されないケースがあります。
事業の革新性や地域貢献性が審査され、競争的に支給されるのが特徴です。
一方、助成金は要件を満たせば原則として受給できるもので、人材雇用や育成、労働環境の整備といった用途で使われることが多いです。
サウナ事業の場合、多くの設備投資や地域連携が絡むため、主に「補助金」が対象となります。
ただし、雇用に関する助成金(例:キャリアアップ助成金)と組み合わせることで、より戦略的な資金活用が可能です。
制度の違いを正しく理解することで、自社に合った制度を的確に選ぶことができます。
補助金申請の流れと注意点
サウナ事業における補助金申請は、主に以下のプロセスで進められます。
- 補助金の公募開始を確認
- 事業計画書の作成
- 自治体・商工会議所などへの相談(推奨)
- 申請書類の提出(電子申請が一般的)
- 採択通知・契約手続き
- 事業実施・経費精算報告
- 成果報告・補助金交付
申請後の経費のみが補助対象になるケースがほとんどのため、「申請前に発注した設備」は補助対象外となることがあるため注意が必要です。
サウナ事業者が活用できる補助金制度マップ
サウナ事業で活用できる補助金は、国、都道府県、市町村といったさまざまな行政の段階ごとに用意されています。
重要なのは、補助金を「単独で使う」のではなく、「組み合わせて使う」ことです。
ただし、制度によっては併給不可な場合もあるため、事前に申請要領をよく確認しましょう。
以下に、代表的な国の制度と自治体独自の補助金制度を紹介します。
国の補助金制度
国の補助金は規模が大きく、サウナ施設を本格的に事業化したい場合には欠かせない支援策です。
以下に代表的な3つを解説します。
- 事業再構築補助金
- ものづくり補助金
- 省エネルギー投資促進支援事業費補助金
ここからは、サウナに使える国の補助金制度を紹介します。
事業再構築補助金
ポストコロナを見据えた事業転換や新規事業立ち上げを支援する補助金です。
中小企業が「サウナ施設」という新たな収益源に挑戦する場合に適しており、従業員101人以上の場合、最大で7,000万円までの補助を受けることが可能です。
たとえば、これまで飲食業を営んでいた事業者が敷地の一部にサウナ施設を新設し、新たな顧客層を取り込むような事例が対象となります。
サウナ事業は観光や健康増進との親和性が高く、地域資源との組み合わせ次第で大きな評価を得られます。
申請には事業計画書と金融機関の確認書が必要です。
競争倍率が高いため、地域との連携やユニークな事業設計がポイントとなります。
たとえば、地域の温泉や食文化と連携し、サウナを起点とした観光回遊ルートを構築するような構想が効果的です。
参考:事業再構築補助金
ものづくり補助金
中小企業の設備投資や革新的なサービス提供を支援する補助金で、サウナに最新の温度制御システムを導入するなど、技術的な革新が見込まれる場合に有効です。
たとえば、利用者の好みに応じて自動で湿度や温度を調整できるAI搭載サウナの導入や、エネルギー効率を高める断熱素材の活用などが該当します。
こうした取り組みは、サービスの質の向上だけでなく、ランニングコスト削減や差別化にもつながるでしょう。
補助上限額は原則1,250万円ですが、グリーン枠など加点措置を活用すれば採択率も向上します。
申請にあたっては、どのように「革新性」が事業の成長に寄与するかを具体的に示すことが重要です。
省エネルギー投資促進支援事業費補助金
サウナ施設はエネルギー消費量が多く、特に電気式サウナではランニングコストが課題です。
この補助金は、LED照明や高効率ボイラー、断熱強化などエネルギー効率の高い設備導入を支援する制度で、長期的な経費削減にもつながります。
たとえば、古い換気設備を省エネ型の最新機器に更新するだけでも、月々の電気代が数万円単位で軽減されることがあります。
さらに、脱炭素社会の実現に貢献する取り組みとしてアピールできるため、補助金申請時の加点対象にもなりやすい点も魅力です。
環境配慮型の施設を目指す場合にぜひ検討したい補助金です。
2024年度はSII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)が公募を実施していましたが、制度名や要件は年度により変更されることがあります。
地方自治体の補助金制度
自治体ごとに独自の補助金が設けられており、サウナ事業に特化したメニューも登場しています。
対象者や補助率は地域によって異なるため、必ず最新情報をチェックしましょう。
以下は2025年7月時点でサウナに特化した地方自治体の補助金制度です。
- 鳥取県「とっとりサウナツーリズム促進イベント開催等支援事業補助金」
- 大分県豊後大野市「アウトドア・サウナ施設等整備事業補助金」
ここからは、地方自治体の補助金について紹介します。
鳥取県「とっとりサウナツーリズム促進イベント開催等支援事業補助金」
鳥取県では、地域資源を活かしたサウナイベントの開催や、観光客向けのコンテンツ造成を支援する制度を展開しています。
観光業との連携を前提とした補助で、イベント実施経費やPR費用などが補助対象です。
たとえば、地元の温泉や特産品と組み合わせた「サウナ×○○フェス」の開催や、モバイルサウナを使った体験型観光プランの開発などが想定されます。
SNSやメディアへの情報発信にかかる経費も補助対象となるため、広報戦略と連動したイベント企画にも活用しやすい制度です。
地域でサウナ文化を根付かせたい事業者には魅力的です。
参考:とっとりサウナツーリズム促進イベント開催等支援事業補助金の事業募集
大分県豊後大野市「アウトドア・サウナ施設等整備事業補助金」
自然資源を活かしたアウトドアサウナの整備に対して、最大20万円の補助を行う制度です。
川沿いや森林の中など、非日常体験を提供する場づくりに積極的な支援があり、地域との連携計画があるとさらに加点されます。
たとえば、地元の木材を使用したサウナ小屋の建築や、地域住民との協働による整備作業などが評価されやすいポイントです。
また、整備した施設を地元イベントや教育旅行で活用する構想があると、地域貢献度の高い事業としてより採択されやすくなります。
土地活用や地域振興を視野に入れた事業設計が求められます。
参考:令和7年度豊後大野市アウトドア・サウナ施設等整備事業補助金のお知らせ
サウナ×〇〇で補助金採択率を高める4つの掛け算戦略
サウナ単体では補助金審査において「新規性が乏しい」と見なされる場合もあります。
しかし他分野と掛け合わせることで、独自性と地域貢献性が高まり、採択率を大きく引き上げることが可能です。
以下は、補助金申請時に効果的な掛け算戦略4つです。
- サウナ×宿泊
- サウナ×空き家再生
- サウナ×ウェルネス
- サウナ×農泊
ここからは、補助金申請時に効果的な掛け算戦略を紹介します。
サウナ×宿泊
宿泊機能を持たせたサウナ事業は「観光誘致」「地域滞在時間の増加」「雇用創出」の観点から高く評価されます。
たとえば、サウナ付きのグランピング施設や民宿と併設したスタイルなどがその例です。
日帰り客だけでなく宿泊を前提とした利用者を獲得できるため、1人あたりの消費額が大きくなり、地域経済への波及効果も高まります。
さらに、宿泊施設の運営にあたっては清掃スタッフや受付、食事提供など新たな雇用も生まれやすく、自治体からの支援対象として注目されやすいのが特徴です。
地域外からの宿泊者を取り込む仕組みを加えるだけで、補助金審査における「交流人口増加」の加点が狙えます。
サウナ×空き家再生
空き家をリノベーションしてサウナ施設とする事業は、自治体が力を入れる「空き家対策」としても注目されます。
老朽化した古民家を活かして地域の景観にも寄与する設計にすれば、補助対象の幅も広がります。
たとえば、築50年の木造住宅を「レトロモダン」なサウナ空間に再生し、周辺のまち歩き観光とセットにする事例などは、観光資源としての価値が高く評価されるでしょう。
また、空き家再生によって地元の工務店や建材店との経済連携が生まれることも、地域貢献として加点材料になります。
空き家活用の補助金との併用も検討可能です。
サウナ×ウェルネス
健康志向が高まる中、「ととのう」体験を超えて、瞑想、呼吸法、ヨガなどと組み合わせたウェルネス施設としてのサウナは高評価を得やすいです。
医療・健康関連産業との連携を盛り込むことで、異分野連携型の補助金にも申請できる可能性が出てきます。
たとえば、心拍や体温のバイオデータを活用して最適な入浴時間を案内するデジタルプログラムの導入などは、先進的かつ健康支援型の取り組みとして注目されます。
また、高齢者向けのリハビリ要素や企業向けのメンタルヘルス研修プログラムなどを組み込めば、多世代・多用途での活用も期待できるでしょう。
サウナ×農泊
農村地域での滞在体験(農泊)とサウナを融合させることで、観光と一次産業の振興を両立できます。
たとえば地元食材を使ったサ飯(サウナ飯)との連携、農業体験とのパッケージなどが考えられます。
さらに、収穫体験後にサウナで汗を流し、地元の食材をふんだんに使った料理を味わえるプログラムは、訪日外国人を含む観光客からの関心も高いです。
農泊施設の稼働率向上や、地元農家との協業による地域経済の底上げにもつながり、地方創生を実現する好事例として評価されるでしょう。
農泊支援補助金や地方創生交付金の対象としても親和性が高い事業モデルです。
サウナ事業で必要な許認可・法的手続き

補助金を活用してサウナ施設を新設・改装する場合、忘れてはならないのが「法令対応」です。
以下のような許可や届出が必要になることがありますので、事前に管轄機関(保健所・消防署・建築課など)との協議を進めておくことが重要です。
- 公衆浴場法(厚生労働省)
- 消防法
- 建築基準法
それぞれ詳しく見ていきましょう。
公衆浴場法(厚生労働省)
公衆浴場として営業するには、都道府県知事(通常は保健所)による許可が必要です。
施設の構造、換気・清掃設備、水質管理などに関する厳格な基準があります。
消防法
木造サウナ、薪ストーブ、ロウリュウ使用など、火気を伴う設備がある場合は、防火管理者の選任や火災報知設備の設置が義務付けられることがあります。
建築基準法
住宅をサウナ施設に転用する場合などは「用途変更」に該当し、建築確認が必要となる場合があります。
また、建ぺい率や容積率、用途地域の制限にも注意が必要です。
他社と差を付けるサウナならカナディアンサウナがおすすめ

引用元:カナディアンサウナ「ナイアガラ」
せっかく補助金を活用してサウナ事業を始めるなら、他と同じような設備では差別化はできません。
そこでおすすめなのが「カナディアンサウナ」です。
カナダの森林資源を使った高断熱の木材や、薪ストーブによる本格ロウリュ体験など、日本のサウナでは得難い本場仕様のスペックを誇ります。
さらに、カナディアンサウナは「輸入サウナ」としてのユニークさがあるため、補助金審査でも「新規性」「独自性」「市場性」の点でアピール材料となります。
特に観光やウェルネス分野と組み合わせた高付加価値戦略を考えている方にとって、カナディアンサウナは最適な選択肢です。
差別化と補助金採択の両立を狙うなら、ぜひ導入を検討してみてください。