ウェスタンレッドシダーは、日本では米杉という別名で知られています。しかし、「米杉は杉ではない」という意外な事実をご存じでしょうか?名前に「杉」がついているのにもかかわらず、米杉は実は杉の仲間ではなく、ヒノキの仲間なのです。 杉は日本の固有種で、古来より日本人の生活に密接に関わってきました。一方、米杉は名の通り、はるか海を超えた北米が故郷です。主にカナダのブリティッシュコロンビア州からアメリカのカルフォニア州にかけて自生します。米杉と杉は地理的にもルーツは遠く離れています。 では、なぜ「米杉」と呼ばれるようになったのでしょうか。それは、その姿が日本の杉に似ていることから由来しています。確かに、一見すると似ているように見えますが、よく観察するとその違いがわかります。杉の樹皮は赤褐色で繊維質、葉は鱗片状で扁平です。対して杉は、樹皮が縦に裂ける特徴があり、葉は針状で螺旋状に配列しています。また、米杉が日本に輸入され始めた際、その特性や用途が杉に似ていると考えられたことも、この名前の由来となっています。 米杉は驚くほど巨木になることがあり、高さ60m以上、直径4m以上に達することもあります。一方、杉も十分大きのですが、一般的には高さ30〜40m、直径1〜2m程度です。 ・米杉(ウェスタンレッドシダー):ヒノキ科クロベ属・杉:スギ科杉属・ヒノキ:ヒノキ科ヒノキ属 米杉とヒノキが同じ「ヒノキ科」に属しています。つまり、植物分類学的には、米杉はヒノキの近縁種であり、杉よりもヒノキに近い関係にあるのです。 米杉は、カナダの先住民によって昔から重宝され、「生命の木」として尊ばれてきました。トーテムポールやカヌーに使われるなど、文化や精神性と密着に結びついています。この点で、米杉はカナダの先住民にとって、日本人がヒノキに対し抱くの同等の価値をもつ高級木材です。