サウナブームの高まりとともに、「ととのう」体験を求める顧客層は拡大しており、ビジネスとしての魅力も高まっています。
宿泊施設や温浴施設、キャンプ場、スポーツジムなどがサウナを導入すれば、新たな集客コンテンツとして活躍します。
しかし、サウナを開業するには、単に設置するだけでなく、事業計画の立案や法令確認、施工管理、スタッフ教育など、複数の段階をクリアしなければなりません。
この記事では、サウナ開業の流れを手順ごとにわかりやすく解説します。

サウナを開業する手順

引用元:カナディアンサウナ「Whistler」
サウナを開業する手順は次の9つのステップです。
- サウナ導入前の事業計画
- 立地を決める
- 法令や許認可を確認する
- サウナを設計する
- 業者に施工を頼む
- スタッフ教育
- 集客とプレオープンを組み合わせてPDCAする
- 営業開始
- 改善
以下ではサウナを開業する手順について詳しく解説します。
1.サウナ導入前の事業計画
まず開業にあたり、サウナを導入する目的と方向性を整理することが必要です。
どんな体験を提供し、どのように収益を上げるのかを明らかにしなければ、工事や設備仕様の検討もブレてしまいます。
ここで練られた事業計画が、今後の設計・施工・運営の軸になります。
サウナ導入前の事前計画で考えるべきことは次の4つです。
- 目的・ターゲットを決める
- コンセプトを決める
- 収益モデルを考える
- コストを見積もる
以下では、サウナ導入前の事前計画で考えるべきことについて解説します。
目的・ターゲットを決める
目的・ターゲットを決めます。
「誰に向けたサウナなのか」を明確にしましょう。
たとえば宿泊施設であれば宿泊客向けのリラクゼーションが目的か、日帰り利用を増やしたいのかで設計は変わります。
ターゲット層がビジネス客かアウトドア層かによっても、必要な温度設定や設備構成が異なります。
利用者の属性や利用シーンを想定したうえで目的を定めることが重要です。
コンセプトを決める
施設のコンセプトを固めます。
たとえば「自然と一体になるテントサウナ」や「ラグジュアリーな完全個室サウナ」など、はっきりしたテーマを打ち出すことで差別化しやすくなります。
内装デザインや導線、使用する木材の種類などもコンセプトに沿って決めると統一感のある空間づくりが可能です。
収益モデルを考える
収益を上げる仕組みを設計します。
サウナ利用料だけでなく、宿泊や飲食、物販、イベント利用などを組み合わせることで安定した収益を見込めます。
たとえば「ロウリュイベントの参加費」や「アロマ水の販売」など、付加価値を高める工夫も効果的です。
コストを見積もる
導入コストには、設備費・工事費・設計費・許可申請費用・運営人件費などが含まれます。
サウナの種類(ドライ・フィンランド式・テント式など)によっても費用は異なります。
初期投資だけでなく、光熱費や維持管理費といったランニングコストも試算し、長期的な採算を検討しておくことが大切です。
2.立地を決める
サウナ経営では立地が成否を左右します。
特に重要なポイントとして次の4つが挙げられます。
- 騒音や煙を気にせず運営できる環境か
- 水源(井戸水・上水道)が安定して確保できるか
- 駐車場スペースやアクセスの良さが十分か
- 温浴施設・宿泊施設・キャンプ場などと相性が良いか
話し声や扉の開閉音などは住宅地では響いてしまうため、大きな音が出てしまっても大丈夫な場所なのか確認しましょう。
また、薪ストーブを使う場合は煙が出るため、環境に配慮する必要があります。
サウナには水風呂や水シャワーがセットになるため、水源を安定して確保できるかも重要です。
駐車場スペースが利用者に対して十分に確保できるか、アクセスが良いかも集客に関わります。
温浴施設・宿泊施設・キャンプ場などとの相性も確認しておきましょう。
周囲にすでにサウナ付き温浴施設がある場合などは集客が見込めないため、別の立地にした方が無難です。
さらに、用途地域(都市計画法に基づく)によってはサウナの設置が制限されることもあるため、事前に自治体に確認が必要です。
3.法令や許認可を確認する
サウナは多くの法律の対象になります。
設置形態によっては保健所や消防署の許可が必要となるため、計画段階から自治体に確認することが重要です。
サウナで必要になる法令や許認可は次の表の通りです。
| 法令・許認可名 | 概要 |
|---|---|
| 建築基準法 | 建物の構造や用途変更に関する規制 |
| 消防法 | 薪ストーブや電気ヒーターなど火気設備の安全基準 |
| 公衆浴場法 | 不特定多数が利用する場合に必要な営業許可 |
| 電気事業法・ガス事業法 | 電気・ガス機器の設置基準 |
| 水質汚濁防止法 | 排水設備や地下水利用の管理 |
特に個人利用ではなく「不特定多数が利用するサウナ(商業利用)」は公衆浴場に該当するため、公衆浴場法の営業許可申請が不可欠です。
4.サウナを設計する
設計では、安全性・快適性・効率性の3点を考慮して計画を立てましょう。
具体的には次のことを考えてサウナの設計を行います。
- サウナ室のサイズ・構造・換気計画を考える
- 熱源(電気ヒーター・薪ストーブ・ガス式など)を選ぶ
- ロウリュ設備や照明、温度計・湿度計の配置を考える
- 給排水・排煙・電気設備の設計を考える
- (オプション)休憩スペースや水風呂・外気浴ゾーンの配置を考える
サウナ室のサイズは想定利用人数に基づいて設計します。
同時に安全を考慮して構造・換気計画を考えましょう。
熱源は好みや環境によって選びます。
| 熱源 | 特徴 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| Electric Heaters | 電気でヒーターを加熱し、サウナストーンを通じて室内を温める方式。温度調整がしやすく、自動制御も可能。 | ・スイッチ一つで簡単に起動できる ・温度管理が容易で安定 ・煙や匂いが出ないため屋内設置がしやすい |
・電気代が比較的高い ・停電時に使用できない ・高出力モデルでは専用電源工事が必要 |
| Wood-Burning Stoves | 薪を燃やして熱を生み出す伝統的な方式。自然な炎と香りが特徴で、フィンランド式サウナに多い。 | ・薪の香りや炎の揺らぎで雰囲気が抜群 ・熱量が強く、体感温度が高い |
・煙突や排気設備が必須 ・薪の保管・管理が必要 ・火の取り扱いに注意が必要 |
| ガス式 | 都市ガスまたはLPガスを燃料として、短時間で室温を上げる方式。商業施設での導入が多い。 | ・立ち上がりが早く、温度上昇がスムーズ ・都市ガスの場合運転コストが比較的低い ・大人数利用にも対応可能 |
・ガス設備工事が必要 ・換気・排気設備が必須 ・設置場所が制限される |
サウナ内の内装(ロウリュ設備や照明、温度計・湿度計の配置)もこだわることで、利用者が「行ってみたい」と思うようなサウナにすることができます。
給排水・排煙・電気設備の設計もサウナ設計の段階で計画することでミスを防ぐことが可能です。
サウナには水風呂と外気浴がセットのため、休憩スペースや水風呂・外気浴ゾーンの配置も考えておきましょう。
「カナディアンサウナ」ではサウナ本体の他にも水風呂をご用意しております。
サウナと同じくウエスタンレッドシダーをふんだんに使った水風呂のため、雰囲気も抜群です。
サウナ全体の雰囲気をまとめたい方におすすめです。
5.業者に施工を頼む
設計が固まったらサウナ工事に入ります。
サウナメーカーに依頼する場合は「施工実績」「断熱・気密の品質」「アフターサポート」の3点を重点的に確認するのが安全です。
薪式の場合は煙突設置や耐火構造の確認が必要で、消防署との協議が発生することもあるため留意しておきましょう。
ワンストップで依頼できる業者だと楽に施工できます。
しかし、法令遵守などが適当だったり、アフターケアが無視されたりしないか注意が必要です。
業者の施工に際して、施工主として確かめるべきポイントは次の通りです。
- 断熱材の施工状態
- 防湿層・防水処理の状態
- サウナヒーターの仕様
- 電気設備・安全装置の仕様
- 換気・排気システムの仕様
- 給排水設備の状態
- 床の構造
- 内装・仕上げ材の施工品質
ここからは、業者に施工を頼む際に施工主として確かめるべきポイントをそれぞれ詳しく解説します。
断熱材の施工状態
断熱が不十分だと熱効率が下がり、室温が安定しないだけでなく、電気代の増加にもつながります。
特に壁や天井の角部、配管まわりは熱が逃げやすいため、隙間なく断熱材が施工されているかを丁寧に確認しましょう。
断熱がしっかりしているとサウナの立ち上がりが早くなり、利用者も快適に過ごせます。
施工後には温度ムラをチェックしておくと安心です。
防湿層・防水処理の状態
サウナ室は常に高温多湿となるため、湿気対策は極めて重要です。
防湿シートや防水塗料が適切に施工されていないと、内部の木材や断熱材が腐食・劣化する恐れがあります。
壁や天井の継ぎ目、排気ダクトの周囲など、湿気が入り込みやすい部分を重点的に点検しましょう。
長期的な耐久性を保つためにも、施工段階で防水処理を確実に行うことが大切です。
サウナヒーターの仕様
サウナの熱源であるヒーターは、出力や設置環境に適した仕様を選ぶことが重要です。
業務用では長時間連続稼働に耐えられる高性能モデルが求められ、過熱防止装置や温度センサーなどの安全機能も欠かせません。
また、清掃やストーン交換などのメンテナンスがしやすい構造であるかも確認しましょう。
利用目的に合ったヒーターを選定することで、快適で安全なサウナ運営が実現します。
電気設備・安全装置の仕様
サウナは高温環境で電力を大量に使用するため、安全性を確保する電気設備が欠かせません。
漏電遮断器や温度センサー、非常停止スイッチなどの安全装置が正しく設置されているかを必ず確認しましょう。
特にサウナヒーター周辺の配線は熱や湿気の影響を受けやすいため、専門の電気工事士による施工が義務づけられています。
配線経路やブレーカーの容量も、設計段階で適切に計画しておくことが重要です。
換気・排気システムの仕様
サウナ室内の空気循環が悪いと、酸素不足や二酸化炭素の蓄積による不快感、温度ムラの原因になります。
吸気口と排気口の位置やサイズ、風量のバランスを適切に設計することが大切です。
また、ロウリュ時の蒸気がこもらないよう、換気経路を工夫することで快適性を高められます。
定期的なフィルター清掃や風量チェックも、安全で心地よい空間維持に欠かせません。
給排水設備の状態
水風呂やシャワーを併設する場合、給排水設備の設計と施工精度が施設の快適性を左右します。
配管の勾配が不適切だと排水が滞り、カビや悪臭の原因になるため注意が必要です。
さらに、漏水防止や凍結対策、塩素濃度管理など衛生面の管理も重要です。
清掃やメンテナンスのしやすさも考慮し、長期的に安定稼働できる配管計画を立てましょう。
床の構造
床は高温多湿環境でも変形や腐食が起きにくい素材を選ぶことが基本です。
水はけを良くするために正しい排水勾配を設け、滑りにくい仕上げ材を使用することで安全性を高められます。
木製床の場合は耐湿加工を施し、定期的なメンテナンスを行うことが重要です。
また、床下の防水層と断熱層の施工精度も、耐久性を左右するポイントになります。
内装・仕上げ材の施工品質
内装の仕上げ品質は、サウナの印象や快適性を左右します。
木材の継ぎ目が丁寧に処理されているか、ベンチがしっかりと固定されているかなど、細部まで確認が必要です。
フィンランド産パイン材やヒノキ、ウエスタンレッドシダーといった天然木を使用すると、香りや肌触りが良くリラックス効果を高められます。
また、木材の塗装や研磨の仕上げ具合も、見た目の美しさと耐久性につながります。
6.スタッフ教育
サウナの品質は、設備だけでなくスタッフの対応力にも左右されます。
利用者の安全管理や快適性を維持するため、運営方針と実務マニュアルを明確に整備しましょう。
サウナを開業するにあたって、スタッフ教育で気を付けたいことは次の4つです。
- 運営・点検・緊急対応などをマニュアル化する
- ロウリュや温度管理の基本操作を統一する
- 清掃・点検・メンテナンスのルールを整える
- 接客トーン・利用説明の仕方を統一する
以下ではサウナのスタッフ教育について解説します。
運営・点検・緊急対応などをマニュアル化する
サウナ運営では、火災や停電、体調不良といった緊急時の対応を明確にしておくことが重要です。
日々の点検や清掃、営業フローをマニュアル化すれば、担当者が変わっても安全で安定した運営ができます。
また、定期的に内容を見直し、実際の現場に即した改善を加えることも大切です。
ロウリュや温度管理の基本操作を統一する
ロウリュの方法や温度設定をスタッフごとに変えてしまうと、利用者の体感に差が生じてしまいます。
そのため、操作手順や温度の基準を明確にし、全員が同じルールで運用できるようにしましょう。
統一された管理体制は、安全性の確保と顧客満足度の向上につながります。
清掃・点検・メンテナンスのルールを整える
サウナ室や水風呂、休憩スペースは常に清潔に保つことが求められます。
定期的な清掃や設備点検をルール化し、誰がいつ何を行うかを明確にしておくと衛生管理が徹底できます。
小さな劣化や不具合を早期に発見し、迅速に修繕へつなげる体制を整えることが重要です。
接客トーン・利用説明の仕方を統一する
スタッフによって説明内容や話し方が異なると、利用者が不安や違和感を受ける可能性があります。
受付時の案内や注意事項の伝え方を統一し、どのスタッフが対応しても同じ印象を与えられるようにしましょう。
接客トーンを整えることで、施設全体の信頼感とブランド価値を高められます。
7.集客とプレオープンを組み合わせてPDCAする
オープン直後に失敗しないためには、プレオープン(試験営業)を行って運営の課題を洗い出すのが効果的です。
プレオープンで運営の課題を洗い出した上で、SNS・公式サイト・地元メディアなどで情報発信を行い、初期集客につなげます。
口コミが初期評価を左右するため、清潔感や快適さに妥協しない姿勢が重要です。
8.営業開始
営業開始後は、毎日の点検や衛生管理、安全確認を欠かさず行い、常に安定したサービス品質を保ちましょう。
利用者からの意見や要望を積極的に取り入れ、設備・導線・接客を改善していくことで継続的に成長することができます。
継続的な工夫と更新を重ねることが、長く愛されるサウナ運営につながります。
9.改善
利用データを定期的に分析し、混雑時間帯や人気設備を把握して改善を重ねることが、安定経営につながります。
営業後も継続的な改善を行うことで、利用者の満足度とリピート率を維持・向上させることができます。
設備やサービス内容を定期的に見直し、時代やニーズの変化に対応する姿勢が重要です。
小さな改善の積み重ねが、結果的に施設全体の品質向上につながります。
点検・清掃・メンテナンスを継続する
設備や木材の劣化を放置すると、後の修繕コストが大きくなる可能性があります。
サウナヒーターや換気ファンの動作確認を定期的に行い、清掃や補修を日常業務として習慣化しましょう。
常に快適な環境を維持することが、利用者の満足度と長期的な収益性を高めます。
サウナを開業するなら差別化を!見た目のインパクトならカナディアンサウナ

引用元:カナディアンサウナ「Aurora」
サウナ市場の競争が激しくなる中で、他施設との差別化は欠かせません。
特に外観やデザイン性は、SNS時代において集客力を左右する要素です。
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